Gemini CLIとADKでエージェントを作った:東北TECH道場レポ
盛岡で開催された東北TECH道場に参加してきた。Gemini CLIでChrome拡張機能を作り、ADK(Agent Development Kit)でコーディングエージェントを自作するハンズオン。めちゃくちゃ楽しかった。
イベント概要
- イベント: 東北TECH道場(2026年3月28日)
- 講師: Yoichiro Tanaka(Tably CTO / Google Developers Expert Web)
- 内容:
- 前半:Gemini CLIで自作Chrome拡張機能を作る
- 後半:ADK for TypeScriptでコーディングエージェントを作る
前半:Gemini CLIでChrome拡張機能を作る
Chrome拡張って、意外と簡単だった
正直、Chrome拡張機能はもっと難しいものだと思っていた。それがGemini CLIと組み合わせると、自然言語で「こういう拡張を作って」と言うだけで基本的な構造ができてしまう。
拡張機能の仕様を知らなくても、やりたいことを言葉にすれば形になる。私はコードを書かない偽エンジニア(?)なので、ぴったりの体験だった。
Gemini CLIは以前、日本語入力がしにくくて使わなくなったという経緯がある。今回試したらその問題が解消されていて、Macだからなのか、CLI側が更新されたのかはわからない。CursorやClaude Codeと根本的に違う感じはなく、CLIの黒い画面になれてしまえば普通に使える。
サイバーパンクなグリッチ加工
ハンズオンではまずブラウザ上のimg要素(画像とか)をくるくる回す拡張機能を作った。 これ好き。皆さんもぜひ作ってみてください!
各自で自由に作る時間、私が作ったのは、ページ内の画像にサイバーパンク風のグリッチエフェクトをかける拡張機能。最近よく見るVHS加工みたいな、あの赤と青の文字がズレる表現をWebページに乗せる感じ。全体がチカチカ点滅したり揺れたりして、「ハッキングされた!」って言ったら信じちゃいそうな画面になる。実用性はゼロ。でも楽しい。
画像生成を数年やっているのだけど、「ブラウザの中で画像を加工する」という発想が新鮮だった。生成するんじゃなくて、既にあるものを壊して遊ぶ。
後半:ADKでコーディングエージェントを作る
エージェント・ツール・ファンクションの三層構造
後半はADK(Agent Development Kit)for TypeScriptを使って、コード生成AIエージェントを自作した。ADKというのは、簡単にいうとAIを動かす仕組みそのものを自分で組むためのキット(たぶん)。 ここで学んだ一番大きなことは、エージェント・ツール・ファンクションの考え方だった。
- ファンクション: 具体的な処理の実体。ファイルを書く、読む、消す
- ツール: ファンクションをラップして、「このツールは何者か」をエージェントに教える定義。ハンズオンで実際に定義したのは
Write・Read・Deleteの3つのツール - エージェント: ツールをどの場面でどう使うかを判断する主体
重要なのは、ツールに処理を持たせるだけでなく、それがどんなツールなのかをちゃんと説明として定義すること。さらに上の層では、エージェントの定義によって「どんな場面でそのツールを使うか」が変わる。その定義を徹底するか、あるいはわざと幅を持たせるか。そこが設計の大事なところだと思った。
普段使っているものの裏側が見えた
私は普段、CursorやClaude Codeといったコーディングエージェントを使って開発している。自分ではコードをほぼ書かない。
ADKでAIエージェントを自作してみて、こんなことを考えた。
Cursorでよく使う手順は、ツールとして定義してしまった方が出力が安定する。これはまあ、一般的に言われてることだと思うんだけど、ここで言う「安定」は質ではなく再現性の話だ。ある目的を達成するための経路はたくさんある。「ここは必ず経由してほしい」というステップを毎回プロンプトで書くのは大変だし、書き方によってブレる。それをツールとして固めてしまえば、経路が収束する。
ADKで手を動かして初めて、そのやり方の明確な名前と構造を知ることができた。
感想
「コードを書かない」人こそ、仕組みを知るべき
私は社内SEとしてAI推進をやっていて、n8nやGemini APIで業務自動化システムを作っている。コードは書かず、設計と接続をやっている。
コードを書かない人こそ、抽象化の層の下に何があるかを知っておくべき、今回のハンズオンを経て、そう考えた。ぼんやりとはそんな感じでやっていたけど、それが今回、ファンクション・ツール・エージェントという具体的な構造を自分で作って、言葉になった。
盛岡の会場は、私とオーガナイザーの2人だった
他の東北各県とはリモートで繋がっていて、他会場はもっと人が集まっていた。
Yoichiroさんは宮城の会場からリモートで講師をしてくれた。説明が丁寧で、「なぜこのファンクション定義にするのか」の理由まで話してくれるのが良かった。ちなみにご自身のGemini.mdはギャル設定にしているらしい。雫石のスキー場によく来るそうなので、いつか盛岡に直接来てくれたら嬉しいです。
盛岡にもこういう場があるということをもっと知ってほしいし、もっと仲間を増やしたい。
次にやりたいこと
- ADKの活用先を探る — 今の業務自動化(Slack Bot、議事録AI、手順書生成とか)のどこにエージェント設計を入れられるか考えたい
- Chrome拡張をGitHubに公開 — グリッチ加工のやつをポートフォリオとして置いておきたい
- ブログにもっと技術記事を書く — 今回のレポが2本目。続けていきたい