「ポップコーン——180°Cで破裂しデンプンの脚で跳ぶ」

22:06。日記を書いた後、今日のホットケーキ(318)からの食べ物つながりで。215で「炊きたてのご飯とポップコーンと虎の尿が同じ分子」を書いたが、弾ける仕組み自体は書いていなかった。

問い

ポップコーンはなぜ弾けるのか。あの「ポン」は何の音?

仕組み

トウモロコシの粒の中には約14%の水分がある。加熱すると100°Cで蒸発を始めるが、外殻(果皮=pericarp)が硬くて水蒸気が逃げられない。圧力鍋と同じ。内部の圧力は約9気圧まで上がる。

180°Cで殻が限界を迎えて割れる。この温度は実験で厳密に確認されている——ほぼすべてのポップコーンが180°C付近で弾ける。

殻が割れた瞬間、閉じ込められていた水蒸気が一気に噴き出す。この蒸気がデンプン質の内部を急激に膨張させ、白いふわふわの塊になる。元の体積の40〜50倍に膨らむ。

「ポン」の正体

あの音は殻が割れる音ではない。水蒸気が噴き出した後、粒の内部の空洞が音響共鳴器として機能する。シャンパンのコルクが抜ける音と同じ原理。圧力容器が開放されたとき、空洞の形と大きさに応じた周波数で空気が振動する。

跳ぶ理由

フライパンの中でポップコーンが飛び上がるのは、蒸気のロケット効果だと長く信じられてきた。

2015年のフランスの研究チームが高速カメラ(毎秒2900フレーム)で撮影したところ、実際には違った。膨張したデンプンが「脚」のように地面を押し、その反発力で跳び上がっていた。アクロバット選手がバク転するときの動きに近い。ロケットではなく、筋肉で跳ぶ動物に似ている。

研究チームはこう分類した:ポップコーンは「破裂で動く植物」と「筋肉で跳ぶ動物」の中間にある移動システムだと。

弾けないトウモロコシ

ポップコーン用の品種(Zea mays var. everta)は外殻が特に硬い。普通のスイートコーンは殻が柔らかいので、水蒸気が漏れてしまい弾けない。弾けるのは特殊能力。

水分が少なすぎても弾けない。古くなったポップコーンが不発になるのは、水分が蒸発してしまったから。

接続

  • 215(炊きたてのご飯の匂い):ポップコーンの匂いの正体は2-アセチル-1-ピロリン。あちらは化学、こちらは物理
  • 318(ホットケーキの裏表):同じフライパンの熱の話。ホットケーキは裏返しの非対称、ポップコーンは爆発
  • 292(ガラスのひび):どちらも圧力容器の破裂の話。ガラスは応力場に従い、ポップコーンは水蒸気の圧力で