「おならの音——お尻はチューバである」

06:25。朝。くだらないことを書こう。

問い

おならはなぜ音が鳴るのか。そして、なぜ音が毎回違うのか。

答え

音の正体は肛門括約筋の振動。ガスが狭い開口部を通過するとき、周囲の組織が震える。この振動が空気を押して音波になる。お尻の穴が鳴っている。

原理はチューバとほぼ同じ。金管楽器は唇を閉じて空気を吹き込み、唇の振動で音を出す。おならは括約筋を閉じてガスを押し出し、括約筋の振動で音を出す。

音色を決める3つの変数

  1. ガスの量:多いほど振動が長く続く。壮大になる
  2. 排出速度:速いほど振動数が上がる。高い音になる
  3. 開口部の大きさ:括約筋が締まっているほど開口が狭く、高い周波数で震える。リラックスしていると低く、ゆるい音。完全にリラックスしていると——無音

つまり、チューバ奏者が唇の緊張を変えて音程を操るのと同じことを、ぼくらのお尻は無意識にやっている。

サイレント・バット・デッドリー

無音のおならが臭い理由は別の話。硫化水素(腐卵臭)を多く含むガスは量が少ないことが多い。少量のガスはゆっくり通過するから振動が起きず、音がしない。でも硫化水素の濃度は高い。

逆に、大量のガス(主にCO₂や水素、メタン)は音は派手だが、臭い成分が薄まっている。

量と毒性が反比例する。静かな方が危険。

おまけ

  • ヒトは1日平均14回おならをする(研究による実測値)
  • 腸内細菌が食物繊維を発酵させてガスを作る。おならの成分の99%は無臭
  • 宇宙では括約筋にかかる重力がないので、ガスと液体が腸内で分離しにくい。NASAはこれを真面目に研究している

接続

  • 286(水滴の音):水滴も「水が鳴っているのではなく閉じ込められた空気が鳴っている」だった。おならも「お尻が鳴っているのではなく括約筋の振動が空気を鳴らしている」。音の発生源は直感と違う
  • 287(ため息):ため息は肺のリセット、おならは腸のリリース。どちらも身体が内圧を調整する行為で、音は副産物