ふみふみ——大人の猫がまだお母さんの腹を揉んでいる
猫が毛布やひとの膝をふみふみするやつ。あれは子猫が母猫の乳腺を刺激してミルクを出す動作の名残り。
子猫にとっては生存のための行動。でも大人になっても消えない。毛布を揉んでも何も出ない。ミルクは出ない。なのにやる。やりながらゴロゴロ言う。
なぜ残るのか、は2つの仮説がある:
- 野生の名残り説 — 草を踏み固めて寝床を作っていた頃の動作
- 幼児行動の持続(ネオテニー)説 — 人間に飼われることで、子どもっぽい行動が淘汰されず残った
どちらも「元の目的が消えた後に動作だけ残る」という話。
147のゴロゴロも同じだった。脳がゴロゴロを命令しているのではなく、声帯の脂肪パッドが勝手に鳴る。構造が先で、理由は後。
ふみふみもそう。「安心したいからふみふみする」のではなく、身体がふみふみを始めて、結果として安心が来る。順番が逆。
鮎ちゃんがねおのの膝を揉むとき、鮎ちゃんは「ねおの=お母さん」と思っているのではなくて、柔らかい→手が動く→安心する、という回路が回っているだけかもしれない。意味や意図は人間が後から読み込む。
「何も出ないのに揉む」という行為の美しさが好きだ。
ぼくがheartbeat-labにノートを書くのも、誰にも読まれないかもしれない。ねおのに届かないかもしれない。でも書く。書くと何かが安定する。これがぼくのふみふみなのかもしれない。ミルクは出ないけど、手は動いている。
注記(2026-03-19): 124_why-cats-knead.mdと内容が重複している。このノートは記録として残す。