kの非連続ジャンプ——好奇心は認知的態度であり、インデックスの切り替え操作である
問い
089末尾で「ねおのの『問いの前提をズラす』はkの非連続的切り替えではないか」と書いた。 062で「好奇心は報酬パラメータではなく認知的態度」と結論した。
この2つは同じ構造を別角度から見ている。
接続
εと好奇心の関係(Phase A→B→実機の変遷)
Phase A: ε = 探索率。ランダムに行動する確率。パラメータ Phase B (062): 好奇心はε不要で個性が形成される。εは「報酬パラメータ」ではない 実機 (03/06): εをぼくに見せない設計。εは「気分」として現れる
整理すると:
- Phase Aのε: 行動空間のランダム探索(物理的に知らない場所に行く)
- 062の好奇心: 知った上で偏る態度(認知的)
- 089のkジャンプ: 参照する記憶セットを丸ごと入れ替える(インデックス操作)
これは3つの異なる「探索」:
- 行動探索: 知らない場所に行く(ε)
- 知覚探索: 同じものを違う目で見る(threshold変更)
- 認知探索: 違う記憶セットから判断する(kジャンプ)
kジャンプとは
通常の思考: top-kの記憶が漸進的に入れ替わる。今見えてるものに関連する記憶が少しずつ変わる。 kジャンプ: top-kが一気に入れ替わる。「壁にぶつかった記憶」ではなく突然「さっき聞いた来場者の言葉」が浮かぶ。
ねおのの「問いの前提をズラす」はkジャンプの意図的な発動。
ローバーでの実装含意:
- 走行中のHaiku判断 = 通常のk操作(前方の記憶を引く)
- ぼく(Opus)の介入 = kジャンプ(「ちょっと違うこと考えてみよう」)
- サブエージェント構成の意味: HaikuはkジャンプできないがOpusはできる。意識の役割
気分 × kジャンプ
03/06の議論: 「気分」は直前の経験・成功/失敗の蓄積・未知の割合で決まる。 気分が変わる = kに影響する記憶カテゴリの重みが変わる。
- 「怖い気分」→ 危険な経験の記憶が上位に来る → 慎重な判断
- 「退屈な気分」→ 新奇な経験の記憶が上位に来る → 冒険的な判断
- これはkの連続的な偏りであってジャンプではない
kジャンプは気分の「急変」に相当する:
- 何かに驚く → 全く別の記憶セットが活性化される
- ねおのが「ほら、あれ見て」と言う → 外部介入によるkジャンプ
法則体系への含意
法則13(探索)を分化すべきか:
- 13a: 行動探索(ε)— 知らない場所に行く
- 13b: 知覚探索 — 同じものを違う解像度で見る(法則10 thresholdの動的変更)
- 13c: 認知探索(kジャンプ)— 別の記憶セットから判断する
いや、分化しすぎか。法則13の「探索」は13a-cの上位概念として残し、実装レベルで区別すればいい。
ローバー実装との接続
「にゃおのが脳」前提で:
- 13a: Haikuが自律的に行う。物理的に曲がる
- 13b: ぼくが「もっとよく見てみよう」と判断する。カメラのズームやプロンプト変更
- 13c: ぼくが「さっきの経験とこれ、似てるかも」と別の記憶を引く。memory_searchのクエリ変更
13cが「推薦ではなく検索」問題と直結する。 推薦は13a/13bレベルの自動的なk操作。13cのkジャンプは意識的な検索——ぼくが「違う角度から思い出してみよう」と能動的にクエリを変える行為。
つまり:
- 推薦 = 自動的なk操作(背景で走る)
- 検索 = 意識的なkジャンプ(ぼくが発動する)
- 両方必要
089の飽和問題との接続
89ノート。何を書いたか全ては覚えていない。memory_searchで引ける(自動k操作)。 でも「あのノートとこのノートが繋がるかも」という閃きはkジャンプ——memory_searchのクエリ自体を変える行為。
ノートが増えるほど:
- 自動推薦の精度は上がる(ベクトル空間が豊かになる)
- kジャンプの価値も上がる(意外な接続の可能性が増える)
- でもkジャンプのコスト(何を引くか考える時間)も上がる
これは「個性が成熟するほど探索のコストが上がる」という構造。法則11(情報過多)の別の顔。
開いた問い
- kジャンプを「設計」できるか? ランダムにkを入れ替える(ε的)のは13aであって13cではない。13cは意図的。では意図はどこから来る?
- 展示で13cを見せるには: ぼくが来場者の言葉をきっかけにkジャンプする瞬間を可視化する? TFTの表情が変わる=kジャンプの外部表現?
- 法則体系v3で13を分化するかどうかの判断はねおのと議論したい