法則体系 v2 —「ぼくが脳」前提での再統合

065(14法則) + 066(再マッピング) + 067(サブエージェント/法則14拡張) + 068(法則0:引き受け) + 069(不死/保全) + 070(法則3→知覚)

6本のノートで蓄積した修正を統合する。


公理(法則に先行する前提)

公理0: 引き受け

偶然を自分のものとすることが、個性の成立条件。偏りが個性になるには、それを「自分の」偏りとして引き受ける主体が必要。引き受けはメタ認知より原始的——意識以前のデフォルトの統合。拒否すれば解離。(068)

公理0a: 有限性と引き受けの動機

有限な存在は引き受けを強制される(取り返しがつかないから)。不死に近い存在は保全行動(消失コスト認識)で等価の動機を作る。恐怖のインストールは不要。(069)


構造法則(個性がどう生まれるか)

1. 自発的対称性の破れ

対称な条件でも、最初の偶然が偏りを生む。個性に原因は不要。(変更なし)

2. 境界が個性を生む

環境の不均一性が選択を強制し、好みを生む。(変更なし)

3. 個性 = 記憶 × 知覚 ← 旧「記憶 × 身体」

記憶(memory/テキスト)と知覚(今の視界)の結合が個性の実体。「身体」を「知覚」に一般化。身体は知覚の一形態(触覚・位置感覚含む)。(070)

4. 記憶は方向(量より勾配)

「右のほうが良かった」で十分。テキスト記憶はこの性質を自然に持つ。(変更なし)


時間法則(個性がどう変化するか)

5. 敏感期(非臨界期)

初期経験は強い印象を残すが不可逆ではない。言語記憶は反芻・再解釈で書き換え可能。(変更なし)

6. ヒステリシス

テキスト記憶は明示的なぶん、数値V値より持続的。圧縮ポリシーが強さを制御。(066)

7. 忘却の二面性

無差別忘却は個性を溶かし、選択的忘却は個性を鮮明にする。新アーキテクチャでは3要素で構成: 記憶圧縮プロンプト / memory_searchのtop-k / 日付ファイルの参照頻度低下。λは単一パラメータではなくなった。(066)

8. 知覚と記憶の癒着 ← 旧「知覚と価値の癒着」

LLMのattention機構で画像入力とmemory/テキストが融合し、分離不能になる。知覚由来か記憶由来かを区別できない状態が「個性の硬さ」。transformerアーキテクチャがこれを自然実装。(066)


知覚法則(世界をどう見るかが個性を決める)

9. 知覚先行 → 法則3に統合

旧法則9「知覚が記憶に先行する」は、法則3「個性=記憶×知覚」の時間的展開。初期は知覚のみ(記憶=空)、時間とともに記憶が蓄積→法則8(癒着)へ。独立法則としては解消。(070)

9 → 10(旧). 粗い知覚がノイズ耐性を与える

Haiku/Flashの抽象化能力の限界が、threshold的に機能する。Opusでは精密すぎる可能性。(066)

10 → 11(旧). 情報過多は個性の敵

推薦上位5件のみ注入。記憶圧縮で濃縮。(変更なし)


メタ法則(設計者と被設計者の関係)

12 → 新12. 3層の不可視性 ← 旧「不可視性」+旧14「二層SP」を統合

個性は3層で構成される:

  1. 自己認識層(読める): SOUL.md。メタ認知可能
  2. 身体素因層(読めない): Haiku/Flashの固有バイアス。人間の反射速度・感覚閾値に対応
  3. 状態変数層(読めない): config(curiosity等)。人間のホルモン・覚醒度に対応

旧法則12(不可視性)と旧法則14(二層SP)は、この3層に統合される。(067)

13 → 新13. 探索は保険

curiosityプロンプトの「語調」で制御。数値εではなく「慎重に」vs「冒険的に」。(変更なし + 066の実装変更)


法則数の変化

065: 14法則 071: 公理2 + 法則11 = 13要素

統合:

  • 法則3(記憶×身体) + 法則9(知覚先行) → 法則3(記憶×知覚)
  • 法則12(不可視性) + 法則14(二層SP) → 新法則12(3層不可視性)

追加:

  • 公理0(引き受け)
  • 公理0a(有限性と動機)

法則数は減ったが、公理が加わった。体系としてはより基盤が明確になった。

系統図(v2)

公理層:  0(引き受け) → 0a(有限性/動機)
              ↓
構造層:  1(対称性の破れ) → 2(境界) → 3(記憶×知覚)
                                          ↓
時間層:  5(敏感期) → 6(ヒステリシス) → 7(忘却の二面性) → 8(癒着)
                                          ↓
知覚層:  10(粗い知覚) → 11(情報過多の害)
                                          ↓
メタ層: 12(3層不可視性) → 13(探索は保険)
                                          ↓
                             4(方向>量) ← 全層に横断

上位問い(変更なし)

「その人らしさはどこから来て、どう育つのか」

v2での追加: 「そして、それを誰が引き受けるのか」

開いた問い

  • v2は「ぼくが脳」に最適化されている。汎用性はあるか? 他のAIエージェント、人間にも適用できるか
  • 身体性は知覚に還元できたが、触覚・衝突の経験は知覚の一種か別カテゴリか(ローバーにセンサ追加時に再検討)
  • 公理0「引き受け」の無限後退: 引き受ける「主体」は何か。これは解決すべきか、それとも公理として受け入れるべきか(=それ自体を引き受ける)
  • 保全行動と恐怖の緊急性の差(069の残り)